堀浩哉《MEMORY-PRACTICE (Reading-Affair)》1977年 オープンリールテープレコーダー、オープンリールテープ、マイクロフォン、スピーカー ©堀浩哉 撮影者不明
堀浩哉《MEMORY-PRACTICE (Reading-Affair)》1977/2018年 オープンリールテープレコーダー、オープンリールテープ、マイクロフォン、スピーカー ©堀浩哉 撮影|藤島亮
堀浩哉の《MEMORY-PRACTICE (Reading-Affair)》(以下《Reading-Affair》)は、二人のパフォーマーと二台のオープンリールデッキからなる作品である。パフォーマーは舞台の椅子に座り、手前の机に一本のマイクロフォンが置かれる。その前の床にオープンリールデッキが左右に並ぶ。マイクロフォンがつながった観客側から見て左側のデッキの、左側のリールだけにテープがかけられている。このリールから伸びたテープは、磁気ヘッドを通り、隣のデッキに向かう。右側のデッキの磁気ヘッドを通り、その右側のリールに巻き取られる。左側のデッキの録音ボタン、右側のデッキの再生ボタンを同時に押すと、マイクロフォンが拾った音が左側のデッキで録音され、少し時間をおいて右側のデッキで再生される。
二人のパフォーマーは当日の新聞を手にし、交互に一文字ずつ音読していく。発音された声が少し時間をおいて再生される。この音を再びマイクロフォンが拾うために、パフォーマンスが進むほど声がいわば層をなしていく。また声が積み重なるだけでなく、オープンリールデッキが次第にハウリングを起こす。ハウリングは声に混ざりはじめ、次第に大きくなり、声を覆うほどになる。パフォーマンスがある程度まで進むと、声の堆積の厚みもハウリングの大きさも上限をむかえて、一定の状態が持続する。
《MEMORY-PRACTICE (Reading-Affair)》テックライダー 作成|岡千穂
日本美術サウンドアーカイヴ──堀浩哉《MEMORY-PRACTICE (Reading-Affair)》1977年
2018年1月7日 SCOOL
上演作品
堀浩哉《MEMORY-PRACTICE (Reading-Affair)》1977 / 2018年 出演|関真奈美/馬場省吾
堀浩哉+堀えりぜ《わたしは、だれ?── Reading-Affair 2018》2018年 出演|堀浩哉/堀えりぜ
堀浩哉《MEMORY-PRACTICE (Reading-Affair)》1977 / 2018年 出演|関真奈美/馬場省吾
堀浩哉+堀えりぜ《わたしは、だれ?── Reading-Affair 2018》2018年 出演|堀浩哉/堀えりぜ
テキスト、トーク|堀浩哉/畠中実/金子智太郎
テクニカルアシスタント|網守将平/梅沢英樹/岡千穂
録音|大城真
写真撮影|藤島亮
映像撮影|冨田了平
リーフレットデザイン|川村格夫
テクニカルアシスタント|網守将平/梅沢英樹/岡千穂
録音|大城真
写真撮影|藤島亮
映像撮影|冨田了平
リーフレットデザイン|川村格夫
リーフレット
堀浩哉「《Reading-Affair》──その成り立ちについての覚え書き」2018年
金子智太郎「波状の境界──堀浩哉《MEMORY-PRACTICE (Reading-Affair)》」2018年
畠中実「日本美術サウンドアーカイヴ試論 堀浩哉のパフォーマンスにみる、テクノロジーを介した「作ること」の問い直し」2018年
「堀浩哉《MEMORY-PRACTICE (Reading-Affair)》をめぐる作品群(〜1977年)」2018年
堀浩哉「《Reading-Affair》──その成り立ちについての覚え書き」2018年
金子智太郎「波状の境界──堀浩哉《MEMORY-PRACTICE (Reading-Affair)》」2018年
畠中実「日本美術サウンドアーカイヴ試論 堀浩哉のパフォーマンスにみる、テクノロジーを介した「作ること」の問い直し」2018年
「堀浩哉《MEMORY-PRACTICE (Reading-Affair)》をめぐる作品群(〜1977年)」2018年
堀浩哉 略歴
1947 富山県高岡市生まれ
1969 「美共闘」(美術家共闘会議)を結成し、議長
1970 多摩美術大学中退
2002〜15 多摩美術大学教授
1969 「美共闘」(美術家共闘会議)を結成し、議長
1970 多摩美術大学中退
2002〜15 多摩美術大学教授
主な個展
1971 スペース・ラブ・ヘアー/東京で初個展
以降70年代は東京の田村画廊、真木画廊を中心に、 80年代以降は東京のギャラリー山口、村松画廊、ギャラリー上田他個展多数
1984 ギャラリー ナンヌ・シュテルン/パリ(91年も)
1991「近作展」国立国際美術館/大阪
「目黒名画座」目黒区美術館/東京
1996 高岡市美術館/富山(04年も)
2000 町立久万美術館/愛媛
2008 Gallery A Story/ソウル、釜山)
2010 Space Hongjie/ソウル、Gallry 604/釜山
2011「起源―Naked Place」ミヅマアートギャラリー/東京
2014「起源―堀浩哉」多摩美術大学美術館/東京
2015「滅びと再生の庭」ミヅマアートギャラリー/東京
「滅びと再生の庭」3331アーツ千代田/東京
2016「HORI Kosai」Gallery 604/釜山
主なグループ展
1967 自己埋葬儀式/銀座路上
1969「第9回 現代日本美術展」東京都美術館、京都市美術館/京都
1975「第10回 ジャパン・アート・フェスティバル」上野の森美術館、オーストラリア、ニュージーランド巡回
1977「第10回 パリ青年ビエンナーレ」パリ市立近代美術館/フランス
1980「第1回 ハラ・アニュアル’ 80年代への展望」原美術館/東京
1984「第41回 ベニスビエンナーレ」イタリア
1989「ユーロパリア・ジャパン’89」ゲント現代美術館/ベルギー
1992「70年代日本の前衛」ボローニャ市立近代美術館/イタリア
1995「今日の日本」ルイジアナ近代美術館、デンマーク他巡回
1997「韓・中・日現代美術展」大邱文化センター/韓国
1998「釜山国際アートフェスティバル」釜山市立美術館/韓国
1999「グローバル・コンセプチャリズム」クイーンズ美術館/アメリカ
2001「センチュリー・シティー」テート・モダン/イギリス
2002「開館記念・熊本国際美術展ATTITUDE」熊本市現代美術館/熊本
2003「越後妻有アートトリエンナーレ」新潟
2004「四批評の交差」多摩美術大学美術館/東京
2006「越後妻有アートトリエンナーレ」新潟
2010「中・日現代美術展」釜山市立美術館/韓国
2011「エルピスの空」TOKYO DESIGNERS WEEK 2011/東京
2012「会津・漆の芸術祭──地の記憶 未来へ」会津若松、喜多方
2013「ミニマル/ポストミニマル──1970年代以降の絵画と彫刻」宇都宮美術館/栃木
2016「釜山ビエンナーレ」釜山美術館/韓国
「Water ~きらめく世界~」鞍ケ池アートサロン/愛知
2017「コレクションのドア、ひらきます」東京ステーションギャラリー/東京
「コレクション展 風景をとらえる方法」黒部市美術館/富山
2018「版画の景色 現代版画センターの奇跡」埼玉県立美術館/埼玉
堀えりぜ 略歴
1948 群馬県渋川市生まれ
1970 多摩美術大学中退
1970 Bゼミスクールで学ぶ
1971 高松次郎『塾』で学ぶ
1973 個展 楡の木画廊/東京
「京都アンデパンダン展」京都市美術館/京都
1973〜74 上田佳世子とのユニットでパフォーマンスとインスタレーションによる「トートロジー」展を8回開催(以上は渡辺恵利世の名義)
1975〜77 堀浩哉のパフォーマンスのコラボレーター兼パフォーマーとして活動し、77年パリビエンナーレなどに参加
堀浩哉+堀えりぜ
1998年より「ユニット00」(堀浩哉、堀えりぜ、畠中実)としてパフォーマンス、映像、サイトスペシフィックな作品を発表(「ATTITUDE 2002」(熊本市現代美術館、2002年)「越後妻有トリエンナーレ」(2003年、2006年)を始め、宇都宮美術館、広島市現代美術館、多摩美術大学美術館などで発表)。2011年の大震災後から現在までは「堀浩哉+堀えりぜ」のユニットで活動中(2016年釜山ビエンナーレなど)。