雅子+尚嘉《SEA FOR FLOOR》1972年 オープンリールテープレコーダー ©雅子+尚嘉 撮影|鈴木完侍
雅子+尚嘉《SEA FOR WALL》1972年 青写真 ©雅子+尚嘉 撮影|鈴木完侍
雅子+尚嘉《SEA FOR ROOF》1972年 オープンリールテープレコーダー ©雅子+尚嘉 撮影|鈴木完侍
雅子+尚嘉《SEA FOR FLOOR》 I, II, III(彦坂尚嘉による再演と展開) 作曲|彦坂尚嘉 演奏|彦坂尚嘉/生須芳英/ヴァンだ一成/柳川たみ 1972/2019年 オープンリールテープレコーダー ©彦坂尚嘉 撮影|藤島亮
柴田雅子と彦坂尚嘉はオープンリールテープをリールから外し、東大前幼児園内に開設された邦千谷舞踏研究所の木張りの床に這わせた。テープは部屋の外に出され、壁をつたって屋根の上に伸ばされた。さらに屋根を横切り、建物を一周して部屋に戻ってループになった•1。テープには海の音が録音されており、柴田と彦坂は2台のテープレコーダーでこれを共有し、同時に再生した。レコーダーは部屋の床に置かれることもあれば、屋根の上に置かれることもあった。2人が屋根に上がって演奏をするのを見た谷新は、2台のレコーダーが「音の呼応ともいうべき関係」をつくりあげたと語った•2。雅子+尚嘉によるこのパフォーマンスは「テープ・デュエット」と呼ばれ、《SEA FOR FLOOR》、《SEA FOR WALL》、《SEA FOR ROOF》と題されている•3。
この作品は彦坂と八田淳が1972年9月に開催したイヴェント「駒場アンソロジー」で上演された•4。出演者は彼らと、邦千谷と彼女の生徒、そして風倉匠。イヴェントのきっかけのひとつは、同年6月に刀根康尚がルナミ画廊で開催したイヴェント「大音楽会《ホワイト・アンソロジー》」で、彦坂が邦、風倉と共演したことだった。
この作品は彦坂と八田淳が1972年9月に開催したイヴェント「駒場アンソロジー」で上演された•4。出演者は彼らと、邦千谷と彼女の生徒、そして風倉匠。イヴェントのきっかけのひとつは、同年6月に刀根康尚がルナミ画廊で開催したイヴェント「大音楽会《ホワイト・アンソロジー》」で、彦坂が邦、風倉と共演したことだった。
日本美術サウンドアーカイヴ──雅子+尚嘉《SEA FOR FLOOR》1972年 彦坂尚嘉による再演と展開
2019年11月16日 3331 Arts Chiyoda B105
上演作品
雅子+尚嘉《SEA FOR FLOOR》 I, II, III(彦坂尚嘉による再演と展開) 作曲|彦坂尚嘉 演奏|彦坂尚嘉/生須芳英/ヴァンだ一成/柳川たみ
展示作品
彦坂尚嘉《Upright Sea》1992年
彦坂尚嘉《Upright Sea / Duet》2007年
彦坂尚嘉《Upright Sea》(ヴィデオ)2015年
彦坂尚嘉《Upright Sea》2019年
彦坂尚嘉《Upright Sea / Stripe》2019年
彦坂尚嘉《Vertical Sea》(ヴィデオ)2019年
雅子+尚嘉《SEA FOR FLOOR》 I, II, III(彦坂尚嘉による再演と展開) 作曲|彦坂尚嘉 演奏|彦坂尚嘉/生須芳英/ヴァンだ一成/柳川たみ
展示作品
彦坂尚嘉《Upright Sea》1992年
彦坂尚嘉《Upright Sea / Duet》2007年
彦坂尚嘉《Upright Sea》(ヴィデオ)2015年
彦坂尚嘉《Upright Sea》2019年
彦坂尚嘉《Upright Sea / Stripe》2019年
彦坂尚嘉《Vertical Sea》(ヴィデオ)2019年
テキスト|彦坂尚嘉/金子智太郎
トーク|彦坂尚嘉/金子智太郎
録音|川崎義博
写真撮影|藤島亮
映像撮影|樋口勇輝
リーフレットデザイン|川村格夫
トーク|彦坂尚嘉/金子智太郎
録音|川崎義博
写真撮影|藤島亮
映像撮影|樋口勇輝
リーフレットデザイン|川村格夫
リーフレット
彦坂尚嘉「『大音楽会〈ホワイトアンソロジー〉』――一九七二年、ルナミ画廊」2008年
金子智太郎「方法としての音楽と建築──雅子+尚嘉の「テープ・デュエット」」2019年
彦坂尚嘉 略歴
1946 東京都生まれ
1969 宮本隆司、石内都、刀根康尚、堀浩哉らと美術家共闘会議(美共闘)結成に参加
1970 多摩美術大学絵画科を中退
1982~1983 文化庁在外研修員としてフィラデルフィア大学院グラデュエイトスクール・オブ・ファインアーツに特別生として留学
2009~2013 立教大学大学院特任教授
主な個展
1970「フロア・イヴェント No.1」彦坂自宅/東京
1972「フロア・イヴェント No.3/デリバリー・イヴェント」ギャラリー16/東京
「アップライト・シー」京都書院ホール/京都
1975「五十一音によるプラクティス」村松画廊/東京
1977「史律におけるプラクティス」村松画廊/東京
「ウッド・ペインティングによるプラクティス」新田村画廊/東京
1981「ウッド・ペインティングによるプラクティス」東京画廊+村松画廊/東京
1988「彦坂尚嘉 1975~1988」キャラリー手/東京
1990「彦坂尚嘉 1990 ASIA」東京画廊+ギャラリー手/東京
1992「切り抜き彫刻と新アップライト・シー」東京画廊+SOKO東京画廊/東京
1993「新フロア・イヴェント」村松画廊/東京
1996 東京画廊/東京
2000「新ウッド・ペインティング+α」東京画廊/東京
2001「彦坂尚嘉の起源」ギャラリー手/東京
2002「李禹煥・彦坂尚嘉二人展」東京画廊/東京
2007「INTERSECTION 現代美術のノワール/彦坂尚嘉、1972年の3つのイベント」ギャラリー16/京都
「彦坂尚嘉回顧展―VERTICAL CIRCLE―」ソフトマシーン美術館/香川
2010「HISTORY LESSONS/皇居美術館」マキイマサルファインアーツ/東京
2014「無観衆のための美術展」前衛実験NETART/神奈川
2016「フロア・イヴェント 1970」MISA SHIN GALLERY/東京
主なグループ展
1969「造形作家同盟展」多摩美術大学バリケード内/東京
1975「第9回パリ青年ビエンナーレ」パリ
1982「第40回ヴェネツィア・ビエンナーレ」ヴェネツィア
1987「第19回サンパウロ国際ビエンナーレ」サンパウロ
1988「オリンピアード・オブ・アート」韓国現代美術館/ソウル
1989「ユーロパリア・ジャパン」ゲント美術館/ゲント
1999「グローバル・コンセプチュアリズム展」クイーンズ美術館/ニューヨーク
2000~2009「第1回~4回越後妻有トリエンナーレ」新潟
2001「センチュリー・シティ展」テート・モダン/ロンドン
2005「リュブリアナ国際版画ビエンナーレ」リュブリアナ美術館/リュブリアナ
2007「リスボン建築トリエンナーレ」リスボン
2008「こんぴらアート2008・虎丸社中」琴平町公会堂/香川
2013「あいちトリエンナーレ 2013」愛知県立美術館/愛知
2015「第01、03、05、07、09回逆三角関係展」竹林閣/東京
「彦坂尚嘉+A.ACLのノイズ音楽会」喫茶茶会記/東京
「Re: play 1972/2015─「映像表現 ’72」展、再演」東京国立近代美術館/東京
2016「第11、13、15、18、20、22、24、28、30回逆三角関係展」竹林閣/東京
2017「切断芸術運動というシミュレーションアート展」東京都美術館/東京
2018「トラベラー:まだ見ぬ地を踏むために」国立国際美術館/大阪
「高橋コレクション 顔と抽象」清春芸術村/山梨
2019「Group Show 2」MISA SHIN GALLERY/東京
「世界を開くのは誰だ?」豊田市美術館/愛知
雅子+尚嘉 略歴
主な展覧会
1972「駒場アンソロジー」邦千谷舞踏研究所/東京
「映像表現 ’72」京都市美術館/京都
1973「AFECT-GREEN meet FLOOR EVENT」田村画廊/東京
「〈実務〉と〈実施〉・12人展」ピナール画廊/東京
「〈五人組+4〉REVOLUTION写真展」ときわ画廊/東京
「今日の作家 ’73」横浜市民ギャラリー/神奈川