野村仁《音調、強度、時間を意識して、レコード(糸)を操作する》1973年

 
operating
野村仁《音調、強度、時間を意識して、レコード(糸)を操作する》1973年 種々の糸、ピアノ線、レコードプレーヤー ©野村仁

operating2018
野村仁《音調、強度、時間を意識して、レコード(糸)を操作する》1973/2018年 種々の糸、ピアノ線、レコードプレーヤー ©野村仁 撮影|藤島亮

 

鑑賞者は糸を両手で持ち、レコード針にひっかける。そのまま両手をゆっくり動かして糸を針にこすりつけると針が振動し、レコードプレーヤーから音が聞こえる。鑑賞者は音の《音調、強度、時間を意識して、レコード(糸)を操作する》(1973、以下《音調、強度、時間》)。この作品のタイトルはインストラクションである。

壁には異なる種類の8本の糸がかかっている。そのうちにはピアノ線もある。そこで、この作品は創作弦楽器に見立てることができる。しかし、野村仁は糸のあつかいを「演奏」ではなく「操作」と表現し、糸を記録メディアに見立てて説明する。レコードに音溝があるように、糸の表面にも凹凸がある。レコード針はこれを読みとり、音に変換できる。録音装置はもともと筒状で、後に円盤状になった。ならば、糸状の録音装置はどんな音がするのだろうか、と彼は考えた。

金子智太郎「別物になる音──1970年代における野村仁の「聴覚映像」」より

 
 
 
 
日本美術サウンドアーカイヴ──野村仁《音調、強度、時間を意識して、レコード(糸)を操作する》1973年

2018年3月11日〜17日 Art & Space ここから

展示作品
野村仁《音調、強度、時間を意識して、レコード(糸)を操作する》1973/2018年
野村仁《Rape-Blossoms, Devil-Fish, Iron-y》1975年

テキスト、トーク|野村仁/金子智太郎
写真撮影|藤島亮
リーフレットデザイン|川村格夫

リーフレット

野村仁「聴覚映像を中心にして」2018年
金子智太郎「別物になる音──1970年代における野村仁の「聴覚映像」」2018年

 
 
 
 
野村仁 略歴

1945 兵庫県に生まれる
1969 京都市立美術大学専攻科彫刻専攻を修了

主な個展(2000年以降)
2000「New Vision Navigator ─ソーラーカーによるアメリカ大陸横断記録─」中京大学/名古屋 他
「野村仁 ─生命の起源:宇宙・太陽・DNA─」水戸芸術館現代美術センター/水戸
2001「野村仁 ─移行/反照─」豊田市美術館/豊田
2004「新作展 ─chroma & chromatic─」アートコートギャラリー/大阪
2006「Hitoshi Nomura ─An Introduction, Photo works 1975-92─」MaCaffrey Fine Art/New York
「野村仁 ─Cosmo-Arbor─」アートコートギャラリー/大阪
「野村仁『見る』出版を記念して」アートコートギャラリー/大阪
2007「Hitoshi Nomura: Chrono & Chroma」アートコートギャラリー/大阪
2008「Hitoshi Nomura: Gravitational Shape & Flavor ─The Sun, Meteorites and The Body─」アートコートギャラリー/大阪
2009「野村仁:変化する相 ─時・場・身体」新国立美術館/東京
2010「Hitoshi Nomura: Marking Time」MaCaffrey Fine Art/New York
2012「Discover Hitoshi Nomura In Hong Kong」Gallery 27/香港
2013「野村仁:身体/知覚 又は 私を「私」とおもう私」アートコートギャラリー/大阪
2015「Hitoshi Nomura: Contingency and Necessity」MaCaffrey Fine Art/New York
2017「野村仁:光と地の時間」アートコートギャラリー/大阪

主なグループ展
1968-69「美大作品展」(京都市美術館)に、自重によって崩れていく修了作品《Tardiology》を発表
1970「第10回日本国際美術展 ─人間と物質」東京都美術館/東京
1995「1970年 物質と知覚:もの派と根源を問う作家たち」岐阜県美術館/岐阜 他
「戦後文化の軌跡 1945-1995」目黒区美術館/東京 他
1996「Photography and Beyond in Japan ─Space, Time and Memory」ロサンゼルスカウンティ美術館
1997「重力 ─戦後美術の座標軸」国立国際美術館/大阪
2002「未完の世紀:20世紀がのこすもの」東京国立近代美術館/東京
2003「The History of Japanese Photography」The Museum of Fine Arts, Houston/Houston 他
2004「痕跡 ─戦後美術における身体と思考─」京都国立近代美術館/京都、東京国立近代美術館/東京
2005「もの派─再考」国立国際美術館/大阪
2007「非芸術反芸術芸術」Getty Reseach Institute/Los Angeles
2009「ヴィデオを待ちながら ─映像、60年代から今日へ─」東京国立近代美術館/東京
「医学と芸術展 ─生命と愛の未来を探る:ダ・ヴィンチ、応挙、デミアン・ハースト」森美術館/東京
2013「Re: Quest ─1970 年代以降の日本現代美術」ソウル大学校美術館/ソウル
2015「Re: play 1972/2015 ─『映像表現 ’72』展、再演」東京国立近代美術館/東京
2016「ART1 2016: Stepping into Fresh Snow」アートコートギャラリー/大阪
2016-17「宇宙と芸術展」森美術館/東京、アートサイエンスミュージアム/シンガポール
2017「アッセンブリッジ・ナゴヤ 2017」港まちポットラックビル/名古屋
「JAPANORAMA ─New Vision on Art Since 1970」ポンピドゥ・センター・メッス/メッス

 
 

過去の企画→