日本美術サウンドアーカイヴ──今井祝雄《TWO HEARTBEATS OF MINE》1976年

 
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今井祝雄《TWO HEARTBEATS OF MINE》1976年 スピーカー、アンプ、オープンリールテープレコーダー、エンドレステープ ©今井祝雄

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今井祝雄《TWO HEARTBEATS OF MINE》1976年 スピーカー、アンプ、オープンリールテープレコーダー、エンドレステープ ©今井祝雄 撮影|滝本章雄

 

直径20センチほどのスピーカーユニットが2つ、表側どうしを貼りあわされて吊られている。どちらもエンドレステープを再生するテープレコーダーにつながり、心臓音を鳴らす。振動板の揺れが心臓の拍動を思わせる。しかし、2つの心臓音はリズムも音質も異なり、絡みあいながら少しずつずれていく。このキネティック・サウンド・スカルプチャーは人間の胸の高さにある。スピーカーケーブルについた荷札にはそれぞれの心臓音が録音された日──「APR.18,1975」「SEP.17,1976」──が記してある。奥の壁には30歳の今井祝雄の顔を写した《ポートレイト/私だけの》(1976)が掛かる。この作品は《TWO HEATBEATS OF MINE》(以下《HEARTBEATS》)も彼のポートレイトであることを示唆する。それなら、どうして2つの異なる心臓音を鳴らすのか。鏡に印刷された《ポートレイト/私だけの》は、今井が前に立つと映りこむ顔と過去の顔が重なる高さにある。異なる時間と結びつくイメージを重ねあわせることは2つの作品に共通する。

 
 
 
 
日本美術サウンドアーカイヴ──今井祝雄《TWO HEARTBEATS OF MINE》1976年

2019年2月20日~3月9日 +1art

展示作品
今井祝雄《TWO HEARTBEATS OF MINE》(1976年)
今井祝雄《ポートレイト/私だけの》(1976年)
今井祝雄、植松奎二、村岡三郎《The Partyより》(1975年)
今井祝雄《6/8拍子スコア》(1976年)
今井祝雄《記憶の陰影-106/ヴァイオリン》(2013年)

テキスト|今井祝雄/金子智太郎
トーク|今井祝雄/金子智太郎
録音|柳沢英輔
写真撮影|滝本章雄
リーフレットデザイン|川村格夫


リーフレット
今井祝雄「たとえば、眼と耳について」1974年
金子智太郎「他者の顔、他者の鼓動──今井祝雄《TWO HEART BEATS OF MINE》」2019年


カセットエディション
Norio Imai, Toru Kuranuki, Saburo Muraoka, This Accidental Co-action as an Incident, 1972

 
 
 
 
今井祝雄 略歴

1946 大阪府に生まれる
1965 具体美術協会会員(1972年解散まで全展出品)

主な個展
1964「17歳の証言」ヌーヌ画廊/大阪
1966 個展 グタイピナコテカ/大阪
1980「今井祝雄 – 矩形の時間」ギャルリーキタノサーカス/兵庫
1982 新大阪駅前に「タイムストーンズ400」大阪
1992 関西文化学術研究都市モニュメント「トキの球」「ヒトの球」京都
1996「BACK & FORTH 今井祝雄 白の空間1964–1966」ギャラリー16/京都
2001 京阪天満橋駅ホームに「ここから、ここへ」大阪
2002「今井祝雄 – とき曼陀羅」スタジオ・アーカ/大阪
2005「今井祝雄 – デイリーポートレイトの四半世紀」夢創館/兵庫
2008「YEBESSAN – 今井祝雄〈分身の術〉」アトリエ風姿花伝/兵庫
2009「今井祝雄 – 白のうちそと」楓ギャラリー/大阪
2011「今井祝雄 – フレーム考」LADSギャラリー/大阪
「今井祝雄 – フレーム・イン」CAS/大阪
2012「今井祝雄 – フレームの彼方」ギャラリーパルク/京都
「今井祝雄 “具体大学”のころ」成安造形大学/滋賀
2013「ON THE PIANO」ギャラリーあしやシューレ/兵庫
2014「今井祝雄 Retrospective 影像と映像」アートコートギャラリー/大阪
「Perspective in White」Galerie Richard/ニューヨーク
2015「今井祝雄 Time Collection」Yumiko Chiba Associates Viewing Room Shinjuku/東京
「Norio IMAI, (Part I) Shadow of Memory / (Part II) White Event」Galerie Richard Paris/パリ
2016「白のイベント × 映像・1966-2016」Yumiko Chiba Associates Viewing Room Shinjuku/東京
「今井祝雄 Retrospective 方形の時間」アートコートギャラリー/大阪
2017「今井祝雄 – 音のケルン」+1art/大阪
「今井祝雄 – 余白の起源」ART OFFICE OZASA/京都
2018「今井祝雄 – 物質的恍惚」アクセル・ヴェルヴォールト・ギャラリー/アントワープ

主なグループ展(1960-70年代)
1964「第14回具体美術展」高島屋/大阪
1966「第10回 シェル美術賞展」1等賞、白木屋/東京、京都市美術館/京都
「空間から環境へ」松屋/東京
「ヌル1966」オレッツ国際画廊/デン・ハーグ
「現代美術の動向」国立近代美術館京都分館/京都
1967「第5回 パリ青年ビエンナーレ」パリ市美術館/フランス
「第1回草月実験映画祭」草月ホール、東京/弥栄ホール、京都
1968「現代の空間’68 – 光と環境」そごう/神戸
1970「万国博美術展」万国博美術館/大阪
1972「この偶然の共同行為を一つの事件として」喫茶コンドル/大阪
「映像表現’72」京都市美術館/京都
1973「京都ビエンナーレ – 集団による美術」京都市美術館/京都
「〈音器〉および〈飛翔音符〉への試み」ギャラリーぺテ/大阪
1974「インパクトアート/ビデオアート’74」ギャラリーインパクト/ローザンヌ
1975「The Party」ギャラリー16/京都
「第8回 現代の造形 – 現代美術50人展」大丸京都店/京都
1976「映像表現’76」KBSレーザリアムセンター/京都
「日本の現代作家展 – デュシャンを透して…」ギャラリー・ペテ/大阪、関西日仏学館/京都

 
 

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